皆さんは部下や後輩にどのように接していますか。
僕はうれしい(?)ことに、直接の部下は女性がばかりで、男性の後輩はとなりの担当にいます。
いろんな能力や職域の方がいらっしゃる中で、難しいミッションを限られたメンバーで達成していくのが僕の役割です。
今回は、日頃からよく使っている「コーチングの技術」の中で特に重要な「質問」の仕方についてお話しします。
特に仕事でコーチングが必要な理由
力を引き出す質問とは
質問を実践するときの注意点
コーチングをなぜ使う必要があるのか

コーチングという言葉を聞いたことがない方もいるかと思いますが、
従来の指示命令に対して、部下やビジネスパートナー自身に課題や解決方法を考えてもらって、自身の能力を引き出して解決していくという考え方です。
特に職場で必要な理由は、メンバーは限られていますので、指示待ち状態の部下ではなく、自ら課題を解決できるように成長してもらいたいからです。
ぶっちゃけていうと、能力高いベテラン社員を集めて課題を解決していく方法もありますが、それはさすがに今の時代にコストが合わないし、様々な人の力を出し合って解決したほうがしなやか対応ができます。
ただ、問題は、部下が指示待ち状態だと自分で課題を考えたり、言われたこと以外をしない状態になります。
それでは僕の時間はいくらあっても足りません。
(まぁ、ベテラン社員にも指示待ち居ますね。。。。)
そのため、他人事でなく自分事として考えられるようにしてあげる必要があります。
そのために大事なことは、以下の通りです。
<自分で考えて動いてもらうため>
1.自分で考えてもらうこと
2.自分の出した答えを実行すること
3.安心して実行できる環境を整えること
部下は責任の所在を明確にしたら、働きやすいですよね。
自分で考えた答えだからって責任を取ってくれないんだったらがんばれません。
責任は上司が取らないとね。まぁ、自分で導いた答えなら失敗もあんまりしないので安心ですが。
前置きが長くなりましたが、自分で考えてもらうためには、しっかりとした質問が大事です。
質問の目的:答えは部下の中にある。部下には能力がある。その答えと能力を引き出す。
では、次から質問の具体的なやり方を解説します。
質問のスキル

部下の能力を発揮するためのコーチングで重要な要素である質問の技術を大きく3つです。
拡大質問と特定質問
「はい」、「いいえ」で答えたたり、すぐに答えが出せるもの、または、正解がひとつなものが特定質問です。
「あなたは、何年目社員ですか。」お客様と打ち解けるきっかけにはいいけど、あんまり考えなくてもいい質問ですね。
それよりも、「どうしたらいいと思う?」「なんでこうなったんだろう?」と相手に深く考えてもらい、相手の思考を拡大していきます。
「何が一番大切だと思う?」と相手が考えてもみなかったことを質問することで、視野を広げてあげて可能性を広げてあげることができます。
拡大質問:答えづらいが、その分相手に深く考えさせることができる。
特定質問:答えやすいが、相手に考えさせることはできない
未来質問と過去質問
「なにやってたんだ。」「何でやらなかったんだ。」というよく聞く質問ですね。
過去の質問って追及されているみたいで気分がめいりますよね。
過去って変えられないし。。。。。
つい、過去に意識を向けてしまうと過去の失敗経験・体験を思い出して委縮してしまいます。
失敗の原因を見つけて解決して、改善しようとすることはいいのですが、やり方・言い方はほどほどにですね。
「どうしたらいいと思う。」「どうなったらいいと思う。」まだ、これから変えられそうですよね。まだ、チャンスがあるんだと思えてきます。
意識を未来に向けることで、可能性を感じることができると、自分でやってみようという気が起きます。
また、いままで考えていなかったアイデアが浮かんできそうですよね。
未来質問:これからどうしたいかを聞き、意識を未来に向ける
過去質問:過去に失敗の原因を聞き、意識を過去に向ける
肯定質問と否定質問
「なんでうまくいかないの?」「なんではっきりしないの?」というのように「ない」を含んでしまう質問を「否定質問」といいます。
聞いただけで問い詰められている気がして、窮屈ですよね。
逃げたくなりますよね。
それに対して、「どうしたらうまくと思う?」「どうしたらはっきりするかな。」と聞いた方が「前向き」で「広がり」を感じて答えやすいですよね。
どこに向かっていきたいのか、行きたい方向を向けますよね。
つまり、行きたくない方向を意識させると、そっちに向かって行ってしまう。。。。
するべきは、行きたい方法に意識を向けさせること。
肯定質問:「ない」を使わず、前向きな質問で実現したい目標を意識する。
否定質問:「ない」を使って、後ろ向きな質問で避けたい現実を意識する。
具体的な利用方法

ここからは、質問の悪い使い方例といい使い方例について説明します。
悪い質問の使用例・パターン
男性の多い職場ほど、特に理系の職場ほど、原因を突き詰めていきます。
原因を明確にしようとして、原因がわかればそれをしないようにする。
うーん、がんばっても100点までしかとれなさそうですね。
期待値を超えることはできなさそうです。
もちろん、出てくる答えは「言い訳」ですよね。
もし、男性のバリバリ社員だったらそれでも受けとめて対策できますが、
部下や新人ではそこまで受け止めれませんね。
結果として、自分が課題解決をする羽目になりそうです。
いい質問の例・パターン
「いまできることはなんだろう?」「何から取り掛かればいいかな。」というように、
「今から」を意識すると自分でもできることを探してきます。
他人に言われたことならできなこともあるかもしれませんが、
自分で考えたできそうなことならできるような気がしますね。
そうすると自然と力が出て120点も夢じゃないかも。
課題も自分で解決してくれるし、自分の時間が確保もできて一石二鳥ですね。
責任の持ち方取り方。
「責任取れんのか?」これいわれたら、その瞬間にやる気が失せますよね。
逆に「責任はとるから」って言われたらやってやろうと思いますよね。
「答えを授けてあげたにに、責任を取らない」人と、「答えを引き出して、自分の答えじゃないのに責任を取る人」どっちがついていくかと言われたら、絶対に責任を取ってくれる人ですね。
まとめ これからなりたい方へ意識を向ける
以上となりますが、
真面目な人ほど悪いパターンに陥りやすいですし、自分で今後も仕事をしないといけなくなります。
とくに部下は自分にはできないと思うと力を発揮できなくなります。
自分で考えることが重要
やる気を持って仕事をするためには、過去の失敗を意識する
特定・過去・否定の質問をすると力を発揮できない自分にできることを探してもらう
拡大・未来・肯定の質問を上手に使って、これがまさにコーチングの考え方ですね。
答えを授けてあげるのか、それともその人の中の答えを引き出すかは、一見すると授けるほうが楽に見えます。
ただ、長い目で見ると、自分で考えたほうが絶対に能力開発になって周りが楽できます。
もちろん、子育てでも使えますから、家庭でも使ってみてください。