僕の奥さんは産休育休を挟んで十数年働いた仕事を3月末で退職しました。
現在、配偶者(パートナー)が退職を検討されている場合に必要な手続きなどをまとめました。
配偶者が退職を予定している
退職後の年金や保険が気になる
失業保険ってもらったほうがいいのかわからない
103万円の壁?130万円の壁?
退職時に必要な大きな手続きは二つある
退職すると今まで給料の中で当たりまえに支払ってくれていた税金や社会保険が(当たり前ですが。)一切支払われなくなります。
また、退職後の継続して別の職場で働くかそれとも、いったんゆっくり過ごすかでも違いがあります。
今回、僕の奥さんが完全退職のためそちらをメインでお話しさせていただきます。
<大きな手続き>
健康保険・年金
配偶者控除と配偶者特別控除
(おまけ)住民税
(おまけ)退職金控除
健康保険・年金は退職後すぐに対応してください

まず第一優先は健康保険・年金です。
退職後の状況 | 加入する健康保険 |
---|---|
すぐに再就職 | 再就職先の健康保険に加入する |
再就職しない | 任意継続被保険者になる |
国民健康保険に加入する | |
家族の健康保険に加入する |
健康保険と言えば、医療費の自己負担が3割になりますが、なんと恐ろしいことに退職するとその翌日から健康保険が切れます。
また、年金もこれまで入っていた厚生年金から、国民年金への切り替えが発生します。
このまま自分で国民健康保険に加入することになると、国民年金保険料と国民年金を支払うことになり、大幅な負担増です。
そのため、僕の健康保険の被扶養者になってもらう必要があります。
①見込み年収が130万円未満
②収入が扶養者の半分未満(同居)
③収入が扶養者の仕送り額より少ない(別居)
僕も奥さんを初めて健康保険の扶養に入れて知ったのですが、奥さんが扶養に入って、健康保険も年金も負担が増えないのですね。
今まで共働きだったので、気づかなかったけどよくできてます。
手続きは扶養者(被保険者)の健康組合です。
手続きができるのは、扶養者(今回は僕)の健康組合(の窓口)になります。僕の場合は、会社の福利厚生担当でした。
気を付けるポイントは前の健康保険組合の「資格失効証明書」が必要になるのですが、これは失効してからしか発行してもらえません。つまり在職中は発行してもらえないので、退職後すぐに証明書の発行申請をする必要があります。
申請書(各健康組合の様式)
健康保険資格失効証明書
年金手帳
マイナンバーカード
失業保険をもらうと健康保険に入れないかもしれない
自己都合の退職でも、失業保険は貰えるそうです。
奥さんはもらえないので、特に悩みませんでしたが、もらえる権利のある人はハローワークに相談してください。
失業保険が日額3,611円を超えると、家族の健康保険に入れなくなりますので一時的に脱退になります。
130万円 ÷ 12カ月=108,333円
108,333円 ÷ 30日=3,611円
となり、見込み年収が130万円を超えるので、扶養から一時的に外れます。痛しかゆしですが、もらえるなら、貰ったほうがお得ですね。
配偶者控除は後からでも大丈夫

健康保険は切れてしまうと、保険がなくなるので急いで対応する必要がありましたが、税制の扶養は急ぐ必要はありません。
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを配偶者控除といいます。 国税庁HPより
一般の配偶者控除は納税者本人の合計所得の金額により決定されます。
控除を受ける納税者本人の 合計所得金額 |
控除額 |
---|---|
一般の控除対象配偶者 | |
900万円以下 | 38万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 |
また、38万円と言われると少なく感じますが、38万円は合計所得であり、給与所得控除額65万円を足すと103万円となり、給与所得が103万円以下であれば対象となります。
配偶者控除は、その年の1月から12月までの所得の合計で対象が変わります。
そのため、退職前の所得も計算に入れる必要があります。
っとガッカリしていたのですが、上限が引き上げられた配偶者特別控除というものがあります。

給与所得が150万までは満額で、それを超えても徐々に控除額が減っていく
なんと、給与所得150万円まで控除が満額受けることができます。(ただし、納税者の合計所得が900万以下です。ってそんなに貰っていません。)
そのため、今回今年の給与所得が120万円の奥さんも配偶者特別控除の対象にできます。
申請のタイミングは、年末調整となりますので、今すぐ焦る必要はありませんが、忘れないようにだけしましょう。
おまけ 住民税はしっかり取られます。
住民税の仕組みは所得税と違っています。
種別 | 対象の算定期間 |
---|---|
健康保険・年金 | これから1年間の見込み |
配偶者(特別)控除 | 今年の1月~12月 |
住民税 | 前年の1月~12月 |
住民税の対象はその年の6月~翌年の5月なので、6月に入ると請求書が届きます。
住民税の納付方法は「特別徴収」と「普通徴収」の2つがある
会社員や公務員は「特別徴収」となり給与から天引きされる
自営業者や退職者などは「普通徴収」となり自分の納める必要がある
「普通徴収」の支払いタイミングは6月末に一括か、年4回(6月末、8月末、10月末、翌年の1月末)を選べる
おまけ 退職金は優遇されています
退職金については、退職所得控除が設定されており、こちらを適用するとほとんどの退職金が残ります。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数 |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
手続きは退職金をもらうまでに、「退職金所得の受給に関する申告書」を出しておけば、自動的に適用されますので、確定申告は不要です。
奥さんもしているはず。。。。
まとめ
日本の制度はしっかりしていて、ある意味専業主婦にとても優しいことを実感しました。
健康保険・年金は退職後すぐに申請可能
配偶者(特別)控除は150万円まで満額可能で、年末調整で適用可能。
住民税は前年の給与所得をもとに課税され、自分で納める
退職金は、事前に申請してあれば、確定申告不要
もし、配偶者が退職を検討されている場合は、参考にしてみてください。